が気になってる
を検討してる
実際の使い勝手は?後悔はない?
こんにちは。当ブログを運営している一級建築士のコキアです。
私は普段、住宅設計士として住まいづくりに携わっていますが、
自邸の新築時には「真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)」を導入しました。
年間で約3万円ほどガス代が下がるなど、強力な節約効果を実感しています。
コチラ↓の記事に詳しく書いています。

最近は地球温暖化の影響もあり、「冬が短く、夏が長い」気候になっているため、
太陽の熱でお湯をつくる太陽熱温水器は最強の節約アイテムだと日々感じています。
しかし、実際に5年間毎日使ってみると、カタログには載っていない「リアルな注意点やデメリット」も見えてきました。
ネット上では「太陽熱温水器はおすすめしない」「設置して後悔した」「失敗だった」という声を目にすることもありますが、その原因の多くは事前の知識不足や、暮らしに合わない導入をしてしまったことにあります。
コキア今回は、我が家の実体験をもとに、
「真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)を採用する前」に必ず知っておきたい10の注意点を徹底解説します!
太陽熱温水器の基本:我が家のシステムとメリット
まず前提として、我が家が導入したのは「真空管式」の「水道直結タイプ」です。


昔ながらの平板式に比べて冬場でも集熱効率が高いのが特徴。
さらに水道直結タイプなので、従来の自然落下式(浴槽のお湯はりのみ)とは異なり、
「シャワーでも使える」という大きなメリットがあります。



夏休み、部活帰りの子どもが昼間にシャワーを浴びても、
すべてタダのお湯(太陽熱)だと思うと本当に家計が助かります!
太陽熱温水器は元が取れる?
知りたい方はコチラ↓の記事がおすすめです!


平板式か真空式、どちらを選ぶべき!?
悩んでいる人はコチラ↓の記事がおすすめです!





それでは、ここから具体的な注意点とデメリットを見ていきましょう!
真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)の注意点10選
注意点①:夏は熱すぎて給湯器エラーが出ることがある
夏の強い日差しを浴びた真空管式の集熱能力は凄まじく、屋根の上の水は驚くほどの高温になります。
普段、お風呂の給湯器設定は40度前後にしているご家庭が多いと思いますが、
これを60度設定に変更したところで、
夏場は給湯器側で「熱すぎるお湯が来ました」と安全装置が働き、自動お湯張りがエラーで止まってしまうことがあります。
「そんなに熱い湯を通して配管は大丈夫?」と心配になりますが、
現代の住宅で一般的な「サヤ管ヘッダー工法」の給湯管は架橋ポリエチレン管で、耐熱温度が最大95度まで対応しています。


また我が家の太陽熱温水器は、90度に達すると安全装置で排水・給水されて冷める仕組みです。
また、屋根から長い距離を運ばれる間にも多少冷めるため、配管自体は問題ないと考えていますが、
給湯器のエラーだけは防げないのが現状です。
注意点②:夏はシャワーで浴槽にお湯を張ることがある
自動お湯張りエラーが出たとき、
我が家では「シャワーを長く伸ばして浴槽へ直接お湯を張る」という力技で解決しています。
キッチンタイマーを約15分にセットして、手動で水栓をひねりに行きます。


これが意外と難しく、日によって屋根の湯温が違うため、混ぜた方がよい水の量(水圧)が毎日変わります。
お湯が熱い日は水を多く混ぜるので、水圧が強くなり、シャワーヘッドが水圧で傾いて浴室中に湯が飛び散る……なんて大失敗も。



新築時に浴槽側に
「サーモスタット付きの水栓(混合栓)」をつけておけば楽だったな、と後悔しています。
注意点③:ミキシング装置の調整が意外と難しい
我が家は太陽熱温水器のお湯と水道水を混ぜる
「ミキシング装置(手動ダイヤル式)」を使っています。


太陽の恵みを最大限に活かしたいので、
我が家は基本的にダイヤルを「5(太陽からの湯量MAX、水は最小)」にしています。
「エラーが出るならダイヤルを3以下に下げて水を多く混ぜればいいのでは?」と思うかもしれませんが…。



曇りの日は5のままでもエラーなしで自動お湯張りができたりするので、
常に3以下に下げておくのはもったいない気がしてしまうのです…。
温度表示機能はないため、
天候に合わせて「今の正解のダイヤル位置」を掴むのは至難の業。
また、いちいち屋外にダイヤルをまわしに行くのは面倒。
結果として、エラーが出たらシャワーで張るという選択に落ち着いています。
注意点④:スカイブレンダーなら解決したかもしれない
この「熱すぎ問題」や「手動ミキシングのイライラ」を解決する手段として、
ノーリツ製の自動ミキシング装置「スカイブレンダー」があります。


これがあれば太陽熱の熱いお湯と水を、お好みの温度に自動でブレンドして給湯器へ送り込んでくれるため、エラーを回避できた可能性が高いです。
ただし、基本的にはノーリツの太陽熱温水器システム専用品となるため、他メーカーとの組み合わせは自己責任になる点に注意が必要です。
注意点⑤:冬は凍結対策が必要
水道直結タイプの太陽熱温水器で特に注意したいのが「冬の凍結」です。
冬場、冷え込みが厳しい朝は、配管が凍結してお湯が出なくなるトラブルが頻発します。
「屋根からの配管にもっと保温材を分厚く巻いておけばよかったのか、巻いていても凍結したのか」は不明ですが、寒冷地でなくても冬の凍結対策は必須です。
(我が家は、省エネ地域区分の5地域です)



冬場に凍結の心配が一切ない、
温暖な地域であれば、
このシステムは本当に最強だと思います!!
注意点⑥:万が一の凍結故障に備えて「火災保険」の特約チェックが必須
実は我が家もこれまでに2回、
「冬場の凍結による故障」を経験し、部品交換をしています。


原因は、年数の経過とともに配管を覆う保温材が劣化して隙間ができてしまったことでした。
「修理代が高くつくのでは……」と焦りましたが、幸いなことに火災保険の補償対象内だったため、保険金を請求することができました!
保険会社からの支払い通知書を確認したところ、以下のような仕組みになっていました。
「水道管凍結修理費用保険金」の特約が適用された場合は、免責金額(自己負担)なしで全額支払われた
「家財損害保険金(基本補償)」が適用された場合は、(我が家の場合)1回あたり免責5,000円の自己負担だけで済んだ
どちらの補償が適用されるかは保険会社の判断次第ですが、
これから太陽熱温水器を設置するなら、万が一に備えて火災保険に「水道管凍結修理費用保険金」の特約をつけておくことを強くおすすめします!
火災保険は会社によって特約の充実度や保険料が異なります。
特に新築時は決めることが多く、保険選びを後回しにしがちですが、直前に慌てて適当な保険に入ってしまうと「必要な特約がついていなかった……」と後悔することになりかねません。



引き渡しの数ヶ月前から、
早めに複数の保険会社を比較検討しておくのが、賢くお得にマイホームを守るコツです!
【おすすめの火災保険一括見積もりサービス】
我が家も新築時に利用した、窓口の手間なく複数の火災保険を無料で見積もり・比較できるサービスです。太陽熱温水器を守る特約もしっかり比較できますよ。
注意点⑦:冬は毎日の切り替えが面倒
ミキシング装置を使用の場合、凍結対策のために、
冬の夜間は「太陽熱温水側からお湯を通さない」ように手動で切り替える必要があります。


(保温材をぐるぐる巻きにしています汗)
我が家では、夕方にダイヤルを5(湯量MAX)にして太陽の熱でお湯を張り、
使い終わった夜にダイヤルを1(ほぼ水しか送らないモード)に切り替えています。



夏場よりも冬場の方が、
毎日のルーティンの手間がかかるため「少し面倒だな」と感じます。
【メーカーに聞いた冬の注意点】
「冬は面倒だから水抜きして放置すればいいのでは?」とメーカーに問い合わせたところ、水抜き放置はNGとのこと。
タンクに水を溜めたままで給水栓を閉めるのはOKですが、
集熱しないように温水器のガラス管をブルーシート等で完全に覆わないと、
空焚き状態になり温水器の故障に繋がるそうです。
注意点⑧:お風呂専用タイプでよかったかもと思うことがある
涼しい時期や冬場は、お風呂に一回お湯を張ってしまうと、
屋根のタンクに一気に冷たい水が給水されます。
そのためその後、台所でお湯を使おうとしても、太陽熱のお湯は残っておらず、結局ガス給湯器が作動してしまいます。
これならいっそのこと「自然落下式(お風呂専用)の太陽熱温水器」にしておいた方が、
配管の仕組みもシンプルで、冬の切り替えの手間も少なくて済んだのでは?と感じることもあります。



ただし夏場は、お風呂にお湯を張っても、まだまだ台所で太陽熱からのお湯が出ます。
朝、お茶用に電気ポットでそのお湯を入れて沸すとき、かなり電気代の節約になっていると思います!
注意点⑨:屋根に載せるなら新築時がおすすめ
一級建築士としてのプロの視点からお伝えすると、重さのある太陽熱温水器(水が満水に入るタンク一体型)を屋根に載せるなら、絶対に新築時がおすすめです。
「屋根の重さで家が潰れるのでは?」と心配される方もいますが、



新築時であれば、太陽熱温水器の重量をあらかじめ計算に入れた設計が可能です。
具体的には、垂木(たるき)・母屋(もや)・梁(はり)などの構造部材について、
・ピッチ(間隔)を細かく入れる
・サイズを大きくする
といったことです。
構造補強を正しく行うことで、荷重に対して安全に載せることができます。
逆に、すでにある既存の建物への後載せは、
大掛かりな補強工事が必要になるので、
・タンク別置きタイプにする
・タンク有りなら屋根ではなく庭(地上)に設置する
方が現実的です。
注意点⑩:メンテナンスしやすい場所に設置する
太陽熱温水器は設置して終わりではなく、
定期的な点検や、万が一の故障時のメンテナンスが必要です。
我が家は2階建てですが、
太陽熱温水器はあえて「平屋部(1階の屋根部分)」に設置しました。


これが大正解。実際に、冬の凍結で故障した際、
ハシゴで簡単に上がることができたため、業者さんにもスムーズにメンテナンスしてもらえました。



これがもし2階の屋根だったら、
足場が必要になるなど、
大掛かりな費用が発生していたはずです。
さらに、我が家は「2階の窓から、1階屋根(温水器の設置場所)に直接出られる間取り」にしてあります。


ハシゴをわざわざ持ってこなくても、窓を開ければすぐに目視点検や掃除ができるため、点検がおっくうになりません。



もちろん、一日中しっかりと太陽の光が当たり、周囲の建物の影にならない場所を選ぶことも大前提ですよ!
太陽熱温水器が「向いている人」・「おすすめしない人」
最後に、5年間の実体験と建築士の視点から、
真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)の向き・不向きをまとめてみました。
| おすすめしない人 (後悔の可能性あり) | 向いている人 (満足できる人) |
| ・ボタン一つで完璧に自動お湯張りをしたい人 ・毎日のダイヤル切り替えや天候のチェックが面倒な人 ・冬場にマイナスが続く豪雪地域・極寒地域の人 ・メンテナンスのために屋根まわりを気にするのが嫌な人 | ・多少の不便や工夫を「暮らしの楽しみ」として面白がれる人 ・とにかく毎月のガス代・光熱費をガツンと節約したい人 ・夏場に子供たちが何度もシャワーを浴びる子育て世帯 ・新築・リフォームを予定していて、屋根の構造補強がしっかりできる人 |
まとめ:それでも私は設置してよかったと思う
今回は、真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)のリアルな注意点を10個挙げてきました。
自動お湯張りができない日についシャワーを出しすぎて水道代が増えてしまったり、
冬場の凍結に目を配る必要があったりと、
確かに一癖あるシステムです。
しかし、それでも私は太陽熱温水器を設置して本当によかったと思っています。



夕方、お風呂に入ったときに「あぁ、今日もガスを一切使わずに、太陽の恵みだけでお風呂が沸いているんだな」と実感できるのは、何にも代えがたい豊かな嬉しさがあります。
そして何より、毎月のガス代がガクンと下がっているのを見たときの達成感は抜群です!!



不便なところも含めて、その工夫を「暮らしの知恵」として楽しめる人にとって、太陽熱温水器はこれ以上ない最高の相棒になってくれますよ。
新築やリフォームで検討中の方は、ぜひこの記事を参考に、後悔のない選択をしてくださいね!
冬場の光熱費をさらにガツンと抑えたい方は、
コチラ↓の記事もぜひ参考にしてみてください。











