真空管式を設置しようか迷ってる
太陽熱温水器のメンテナンス方法を知りたい
凍結や故障が心配、火災保険で補償される?
こんにちは!一級建築士として住宅設計に携わっている、当ブログ運営者のコキアです。
我が家では新築時に、強力な節約効果が期待できる「真空管式太陽熱温水器(水道直結タイプ)」を導入しました。
年間で約3万円ものガス代節約に貢献してくれており、基本的には大満足のエコ設備なのですが……実はこれまでに、
冬の厳しい寒さによる「凍結故障」を2度も経験しています。
ネットで検索すると「太陽熱温水器は故障しやすい」「メンテナンスが大変で後悔した」という声をよく見かけますよね。
実際に我が家でもトラブルが多発した時期がありました。
しかしその原因を正しく考えると、
施工時の凍結対策の甘さ
経年劣化による保温材の放置
が原因だったのです。
コキア今回は、我が家が実際に経験した故障事例をはじめ、
修理にかかった費用、大助かりした火災保険の裏ワザ、
そして毎年実践している「点検・メンテナンスのチェックポイント」までを包み隠さず公開します!
最初のトラブルは特別に寒かった冬。原因は「減圧弁」の凍結
我が家が経験した初めての故障は、例年にないほど特別に冷え込んだ、ある冬の日のことでした。
太陽熱温水器の水道直結タイプは、高い水圧のままお湯が使えるのがメリットですが、
水道水をタンクやミキシング装置に送る手前で、適切な圧力に落とすための「減圧弁」という部品がついています。


その減圧弁が、夜間の寒さで凍結。
なんと減圧弁の本体から水が噴き出てきたのです……!


原因は、屋外に設置された減圧弁に「簡易的な保温材(カバー)」を被せただけの状態だったこと。
我が家がある地域は寒冷地ではないのですが、そんな非寒冷地であっても、強烈な寒波が来れば凍結・破損してしまいます。
結局、この時は業者さんを呼んで減圧弁を丸ごと取り換える修理を行いました。
悪夢は続く…数日後には屋根の「逃し弁」が故障
減圧弁を修理してもらい、「これで一安心」と思ったのも束の間。
わずか数日後に、今度は屋根のタンク部分に設置されている「逃し弁(安全弁)」からも水が噴き出してしまいました。
逃し弁は、温水器内部の圧力が上がりすぎないように調節するための重要なパーツです。


こちらも減圧弁と同様に、「簡易的なカバー」を被せただけの中途半端な凍結対策だったため、一連の寒波に耐えきれず凍結破損してしまいました。
こちらも部品の取り換え修理となりました。
実は、太陽熱温水器は素晴らしいエコアイテムである一方で、現代の住宅では設置する家庭が非常に少ないのが現状です。
そのため、我が家を工事してくれた地元の設備業者さんも設置や凍結対策にそこまで慣れておらず、このような初期トラブルが多発してしまったのだと感じています。



「寒冷地じゃないから大丈夫」と過信せず、
屋外の配管パーツには、念には念を入れた凍結対策が必要だと痛感しました。
反省を活かせず…2年後、同じ「逃し弁」が再び故障した理由
それから2年後。
またしても屋根の上の「逃し弁」が故障し、3回目の部品取り換えを行うことになってしまいました。
(+自動空気抜き弁も同時に凍結故障)
なぜ同じ場所がまた壊れてしまったのか?
原因は、「経年劣化による保温材の破れ」を私が見落としていたことでした。
紫外線や風雨にさらされたことで保温材が徐々に劣化し、逃し弁の一部が完全に「むき出し」の状態になっていることに気づかないまま冬を迎えてしまったのです。


その結果、その隙間から冷気が入り込み、再び凍結故障を招いてしまいました。
トラブルから学んだ!現在我が家で行っている凍結対策
「これでは毎年修理になってしまう!」と危機感を覚えた私は、3回目の修理の際、業者さんと一緒に徹底的な対策を施しました。


新しく交換した部品に、「発泡スチロール素材の保温材」を設置。
その上に「プチプチ」を巻き、さらにその上から保温材をぐるぐる巻き。
そしてその上に「配管保護用の絶縁テープ」を隙間なくしっかりと巻きつけました。
さらに、凍結破損しやすい各部材と配管の「継ぎ手(ジョイント部分)」も、保温材+絶縁テープで補強。





この対策のおかげで、それ以降の冬からは故障しなくなりました。
新築や後付けで設置する際は、
「寒波が来ても大丈夫なように、継ぎ手部分まで、保温材の上から絶縁テープを巻いて補強してください」と業者さんにお願いしておくことをおすすめします!!



我が家の苦い経験から、
●ただ保温材があるだけではダメ
●冬がくる前の点検が大切!
ということを痛感しました。
毎年必ず確認している「メンテナンスのチェックポイント」
3回の故障を経て、我が家では「本格的な冬が来る前(毎年12月初旬頃)」に、
以下の点検・メンテナンスをセルフで行うルーティンを作りました。



これから導入する方や、すでに使っている方は、以下の項目を毎年チェックすることをおすすめします!
ほんの数十分で終わる点検ですが、トラブル防止には非常に効果があると感じています。
□ 1.保温材が劣化・破れていないか
各部品の保温材が、紫外線でボロボロになり、中のパーツがむき出しになっていないかチェックします。
□ 2.絶縁テープが剥がれていないか
各部品を覆っている絶縁テープが剥がれていないかを確認します。
剥がれを見つけたら、ホームセンターで配管テープを買ってきて巻き直します。
□ 3.配管の継手が露出していないか
継ぎ手部分も要チェック!
絶縁テープに隙間ができていないか、確認します。
□ 4.架台にサビや緩みがないか
角度調整のために太陽熱温水器を載せている「架台(固定土台)」にサビや歪みなどの、問題がないかも目視でチェックします。


□ 5.ワイヤー固定が緩んでいないか
屋根の太陽熱温水器や架台を固定している「ワイヤー(固定線)」の緩みやサビ、ちぎれがないかも確認します。
地震や台風などで緩むこともあるので、気を付けたいポイントです。


架台からのボルト+ワイヤー
□ 6. 真空管にヒビなどはないか
集熱部分の真空管も、ひび割れがないかチェックします。
□ 7. 排水量が異常に多くないか
(後述しますが)温水器からの排水の量が正常かどうかも、大切なチェックポイントです。



屋根の上でのチェック作業は危険を伴います。
不安を感じる方は無理をせず、業者さんに定期チェックをお願いしましょう!
知っておきたいサイン:少量の排水は正常。でも大量なら故障!
太陽熱温水器を使っていて、「どこまでが正常で、どこからが故障(水漏れ)なのか分からない」と不安になる方も多いと思います。
結論から言うと、「日中に少量の水がポタポタと流れる(排水される)」のは正常な動作です。
特に夏場など、屋根の上のタンクが90度近くの高温に達すると、安全装置が働いて、熱いお湯を外に排出し、代わりに冷たい水道水を自動で取り込んでタンク内を冷まします。
しかし、「四六時中、かなりの量(ザーザーと流れるような水)がずっと排水され続けている」場合は、いずれかの部品が故障しているトラブルのサインです。


我が家では樋からはみ出すぐらいの水が漏れてきました汗



日頃から、温水器のドレン(排水管)の様子を気にかける癖をつけておくと、
トラブルの早期発見につながりますよ!
故障したときのために、給湯器側の「切替方法」も確認しておこう
万が一、我が家のように配管や弁が壊れて水が噴き出してしまった場合、どうすればいいでしょうか?
業者さんに連絡しても、繁忙期や週末だとすぐに駆けつけてくれないケースが多々あります。



特に凍結の場合、
よそのお宅でも給湯器や配管のトラブルが多発して、業者さんは大忙しの場合が多いのです!
修理までの間、家全体でお湯が使えなくなると生活が破綻してしまいますよね。
そこで重要なのが、「給湯器側の切替操作の方法」です。
給湯器の下の配管をあらかじめ確認しておき、バルブをひねることで、
「太陽熱温水器へ水を送るのをストップし、通常の水道水だけで給湯器を動かす(一般的な家庭の場合の、ガス給湯器だけの状態に戻す)」
という切替えが、手動でできるようになっています。


これができれば、万が一温水器が故障しても、修理の日までいつも通りお風呂に入ることができます。



新築時の引き渡しや設置工事の際に、
必ず業者さんから
「トラブル時の切り替えバルブはどれですか?」と教わっておき、
忘れないように配管に直接マジックで書いておくか、写真を残しておくことをおすすめします!
衝撃の事実!いずれの凍結故障も「火災保険」の補償対象になった
3回も部品交換の修理をした我が家ですが、
実は修理費用(部品代+職人さんの人件費)のほとんどを火災保険でカバーすることができました!



これは本当に助かりました!!
我が家のケースでは、保険会社による審査の結果、以下のように異なる名目で保険金が支払われました。
●1回目「減圧弁」の取換え修理
修理費用:33,000円
→火災保険の特約である「水道管凍結修理費用保険金」が適用され、かかった修理費用は「免責なし(自己負担0円)」で全額おりました。
●2回目「逃し弁」の取換え修理
修理費用:16,170円
→「建物損害保険金(破損・汚損など)」の基本補償が適用され、我が家のプランの免責金額の「5,000円」の自己負担だけで、残りの修理代がすべて支払われました。
●3回目「逃し弁」、「自動空気抜き弁」の取換え+保温補強
修理費用:61,600円
→こちらも「建物損害保険金(破損・汚損など)」の基本補償が適用され、免責金額の「5,000円」の自己負担だけですみました。
どちらの補償が適用されるかは保険会社やプラン、故障状況の判断次第ですが、



太陽熱温水器を設置するなら、万が一に備えて火災保険に「水道管凍結修理費用保険金」の特約をつけておくことをおすすめします。
さらに、真空管式の太陽熱温水器の「集熱管」はガラス製です。
頑丈なつくりですが、台風の時に隣の家から瓦や看板が飛んできて割れてしまう……という「飛来物による破損リスク」もゼロではありません。
これらも火災保険の「風災補償」や「物体の飛来・衝突」でカバーできるプランを選んでおくことが、安心材料になります。
後悔しないための火災保険の選び方(我が家の裏ワザ)
ちなみに我が家は新築時、いきなり1社の保険会社だけで決めるのは不安だったので、まずはネットの「火災保険の一括見積もりサービス」を利用して数社を比較しました。
あらかじめネットで大体の相場や特約の内容(凍結補償が手厚いかなど)を頭に入れておいたのです。
その上で、何かあったときにすぐに顔を見て相談しやすい「近所にある大手保険会社の代理店」にも出向いて見積もりを取りました。



事前にネットで相場を比較していたおかげで、提示された金額や特約の内容が妥当だと自信を持って判断でき、安心して近所の保険会社と契約することができました。
実際、凍結トラブルの際もスムーズに連絡が取れて頼りになりました!
火災保険は会社によって保険料も特約の中身も全く違います。
新築時は決めることが多すぎて保険を後回しにしがちですが、直前に慌てて適当に選ぶと「太陽熱温水器の凍結が補償対象外だった…」と後悔することになりかねません。



ぜひ引き渡しの数ヶ月前から、一括見積もりで比較検討を始めてみてくださいね。
早めの準備がマイホームを守るコツですよ!
【おすすめの火災保険一括見積もりサービス】
我が家も新築時に利用した、火災保険を無料で見積もり・比較できるサービスです。
持ち家の条件を入力するだけで、太陽熱温水器のトラブルにも強い最適なプランを複数社からまとめて比較できますよ。
破損しても安心。真空管式は「メンテナンス性が抜群」というメリットも
色々とトラブルの話をしてきましたが、実は「部分的な修理がしやすい」というのは、真空管式太陽熱温水器の大きなメリットです。
昔ながらの平板式の場合、どこか一面が破損すると本体ごと取換えになって、高額な費用がかかってしまうことが多いようです。
しかし真空管式であれば、並んでいるガラス管(集熱管)のうち、破損してしまった「1本の管だけ」を個別に交換することが可能なのです。


我が家では、太陽熱温水器の設置工事の際に、業者さんから「もしもの時のために」と、
予備の真空ガラス管を1本プレゼントしてもらいました。
5年経った現在も割れていないため出番はありませんが、物置にこれがあるだけで心理的な安心感が全然違います。



これから設置する方は、ダメ元で業者さんに「予備の管って1本もらえたりしませんか?」と聞いてみるといいかもしれません!
現在のところ、我が家ではこの「減圧弁」・「逃し弁」・「自動空気抜き弁」の凍結以外は、
本体もガラス管もまったくトラブルなく元気に稼働してくれています。
【一級建築士のアドバイス】設置場所は「メンテナンス性」を最優先に!
最後に一級建築士の視点から、太陽熱温水器のトラブルを最小限に抑えるための「間取り・配置設計のアドバイス」をお伝えします。
これから家を建てる新築の方や、リフォームで設置する方は、太陽熱温水器の設置場所を「平屋部分(1階の屋根部分)」にすることをおすすめします。(水道直結タイプなら庭でももちろんOKです!)
我が家は2階建てですが、太陽熱温水器はあえて1階の屋根に載せました。


これが大正解だったのです。
前述した3回の凍結修理の際、1階の屋根であれば、業者さんが持ってきたハシゴで簡単に上がることができました。


そのため、大掛かりな足場を組む必要もなく、スムーズかつ安価にメンテナンスをしてもらえたのです。
これがもし「2階の屋根」だったら、高所作業のため足場費用だけで数万円〜十数万円が修理代に上乗せされていた可能性があります。
さらに我が家では、「2階の窓から、温水器が載っている1階の屋根に直接出られる間取り」に設計してあります。


これなら、わざわざ重いハシゴを引っ張り出してこなくても、窓を開けてひょいと出るだけで、点検や絶縁テープの補修、掃除がサクッと完了します。



点検のハードルを下げる設計をしておくことこそが、設備を長持ちさせ、トラブルを未然に防ぐ最大の秘訣です。
もちろん、一日中影にならない日当たりの良い場所を選ぶことも忘れないでくださいね!
まとめ:正しい点検と保険選びで、太陽熱温水器は最高の味方になる
今回は我が家の生々しい凍結故障の事例をご紹介しました。
不慣れな業者さんの施工や、日頃のメンテナンス不足があるとトラブルに繋がりますが、
弁や継ぎ手まで、保温材+絶縁テープで隙間なく覆う
毎年冬の前に、劣化がないかセルフチェックする
万が一に備えて、火災保険の「水道管凍結修理」の特約をつけておく
この3つを徹底しておけば、太陽熱温水器の故障リスクや金銭的リスクは、コントロールすることができます。



一度対策を確立してしまえば、あとは毎月おもしろいほどガス代を浮かせてくれる「最高の節約相棒」になってくれますよ!
この記事を参考に、ぜひしっかりと対策を練って、快適でエコな太陽熱ライフをスタートさせてくださいね!
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